「勉強のこと」


 不登校になって学校の勉強をしなくなる。

勉強については、本人はもとより、親御さんにとっても不安になることだと思います。


 私も不登校になってからは学校の勉強はあまりしていませんでした。理系の父に数学を教わったり、英語を習いに行ってみたこともありますが、勉強した内容は今ではほとんど覚えていません。
 ですが、日常生活を送れる知識があれば支障はない、というのが私の実感です。


 私の通っていたフリースクールの人達をみてみると、「高校に行きたい」「大学に行きたい」と自ら勉強をして進学した人が結構たくさんいます。留学をした人もいます。

 それも、「やりたいことがよくわからないから何でもいいから進学しておこう」という消極的な理由ではなく、「○○がやりたい」「○○を勉強したい」という意思をもって進学した人がほとんどだったと思います。


 自分が本当にやりたいと思い、必要であれば、勉強はできるはずです。

学校に行っていても行っていなくても、勉強しない子はしないし、する子はするのです。


 不登校になることは、ある意味、自分の将来を見つめるきっかけになっているのかもしれません。将来が不安だからこそ、自分の将来について真剣に考え、自分が本当にやりたいことは何なのだろうと考えるようになるのです。


 今不登校や似た状況にある人には、自分が将来やりたいことが何なのか、どうなりたいのかを考える努力をして欲しいなと思います。

 その夢に向かって今すぐ行動出来なくても構いないし、心に余裕がなければ夢を持つことすら難しいこともあるかもししれません。私も弱った心が回復するまでは時間が必要でしたし、元気になるまで行動することは出来ませんでした。


 それでも、なんとかしたいという気持ちがあるならきっと大丈夫だと思うんです。焦る気持ちが辛いこともあるかもしれません。でも、心を癒す時間は必要な時間ですから、まずは心が元気になるように心を休めて欲しいです。

2011,06,05/2015,07,17記


「子どもの心は傷つきやすい」


 小中学生の自殺が時々ニュースに出てきます。彼らの自殺がなくならないことに胸が痛いです。


 10代の頃に抱えていたたくさんの悩みは、大人になって思い返せば、なんであんなことに必死に悩んでいたんだろうという位にとりとめもないことだったり、今では簡単に出来てしまうことだったりします。だけど当時は、本当に切実で苦しい悩みでした。 


 10代はとても傷つきやすい年代だと思います。センチメンタルで中2病です。自分の心を守るすべを身に着けるのは経験ですから、経験が少ないということは、小さな衝撃も大きな悩みになってしまいます。その衝撃が、イジメという大きなものだったら・・・。
 大人はたいしたことないと思っている問題も、子どもにとっては、死を選択肢に入れるのに充分なほどに心を傷付ける凶器になりえることがあるのだと思います。


 でも10代の頃に辛い経験をしたことは、これからの人生で必ず役に立つと私は信じています。大人になって理不尽な世間を経験した時に、10代から傷つきながら生きてきた子と、ぬくぬくとなんとなく大人になった子とでは、問題にくじけない心の強さが全然違うと感じます。


 私の尊敬する方の言葉です。

「ダイヤモンドに傷をつけて磨けば輝くように、心も傷つくから強くなるし輝くんだよ」


2012,07,10/2015,07,22記